032.【TCK Home Interview⑱】臨床心理士/ 津田 友理香 さん

投稿者: | 2020年8月31日

元帰国子女(海外で幼少期・学童期を過ごした期間のある方=TCK)を
お招きしてご自身の海外移動がもたらした影響や
Home感について語っていただくコーナーです。

だれでも、生まれてからずっと付き合っている自分自身。

海外移動が何を自分の人生にもたらしたのか、ゲストの皆さんが大人になったからこそ、見えて来たものがあるはずです。社会場面では、なかなか語られなかった事柄、語れなかった想いなど、掘り下げていきたいと思います。

元帰国子女の「HOME」を聴くことで、日本の将来の国際性も見えてくると期待しています。

―第18回目のインタビューは、臨床心理士/ 津田 友理香 さんのお話です。

海外渡航歴3回
(日本(香川県)生まれ/ 2歳―小1 大阪 /
小学校1-2年 フィリピンの現地校に通う /
小学校2-5年 大阪へ再び戻る /
小学校5年-中学3年 米・SFおよびボストン /
高校1年、大阪 / 高校2年、フィリピン留学/ 高校3年、再び大阪へ。
その後、東京で生活、現在に至る)

・日本人の父、フィリピン人の母を持つ。
研究者である父親の仕事の都合で、国内外で引越する経験が多かった。

・TCK体験としては、アメリカ現地校に通う時期に始まる。
言語が自由に使いこなせないことから、クラスメートに容姿や名前のことでからかわれることは日常茶飯事だった。現地で辛い体験をしても、誰かに相談することはなかった。
逆に、補習校の友人と日本語で話しまくり、ストレスを発散させていたと記憶している。

 

・日本の高校生活を夢見て帰国。
1年後、父親の強い願いによって、フィリピン留学へ。
自分としては、消極的な決断だったが、結果的には人生の転換期になったと振り返る。

フィリピン文化は人と人の距離感や関係性が近いことから、居心地の良さを感じた。自分があるべき姿、居ても良い場所を見つけ、腑に落ちた感覚があった。日本およびフィリピンが自分にとってのホームベースとなり、第三国であるアメリカを併せた三角形の良いバランスを創ることが出来た。

 

・自らのTCK体験を振返ると、ずっと普通になりたかった自分がいた。
一方、普通にもなりたくないしなれない、というアンビバレンツも孕んでいたと思う。

結局のところ、国籍・人種・性別などは、誰かによって決められたカテゴリーやアイデンティティの要素の一つであり、一つ一つはそれほど重要ではないという考えるようになった。それは、辛い想いや、苦しい経験をしてきた末の着地点だと思う。

 

・自分のことを話すことや書く営みは、非常に大事だと考えている
身近な人たちの中で、子どもたちがアイデンティティーの危機で揺らいでいる際には、特に話せる機会やきっかけを創ってもらいたいと思う。自分も含めて、それに貢献できるようなコミュニティーや場を大人たちが提供することが大切だと考えている。

 

 

と語られる友理香さんは、その他にも、たくさんのエピソードを披露してくださいました。
友理香さんのTCK体験をお楽しみください。

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