196.【TCK Home Interview】ゲスト99 中村 いづみさん

投稿者: | 2023年10月23日

元帰国生(海外で幼少期・学童期を過ごした期間のある方=TCK)を
お招きしてご自身の海外移動がもたらした影響やHome感について語っていただくコーナーです。

だれでも、生まれてからずっと付き合っている自分自身。

海外移動が何を自分の人生にもたらしたのか、ゲストの皆さんが大人になったからこそ、見えて来たものがあるはずです。社会場面では、なかなか語られなかった事柄、語れなかった想いなど、掘り下げていきたいと思います。元帰国生の「HOME」を聴くことで、日本の将来の国際性も見えてくると期待しています。

―第99回目のインタビューは、中村 いづみさんのお話です。


海外渡航歴 2
(千葉県生まれ/ 小1 日本の公立小学校に入学/
小1‐3 中国・上海へ引越。補習校(午前)および現地校(午後)に通う/
小3(6月)‐中2 シンガポール引越。日本人学校に通う/
中3(4月) 日本に帰国。公立中学に編入/

高校・大学・大学院ともに日本で進学。卒業後、日本企業に就職。
現在、会社員として海外のお客様に対して産業プラントを提供する海外営業部で活躍中)


・上海行きは急に決定された。心の準備など無く、母の覚悟で決まったと記憶している。
初めて飛行機に乗れるとワクワクしていた。80年代の上海はモノトーンで物も豊富ではなく、異なる星にタイムトリップしたかのようだった。 現地校では音楽や図工など創作に関する授業が多く、自由に過ごしながらも、学校の雰囲気が異なると感じていた。
 

・シンガポール行きの決定は、母は嬉しそうにしていた反面、自分はとても悲しかった。
仲の良い友人がお餞別としてネックレスを渡してくれたことが、大事な記憶となっている。シンガポールのマンモス校はショックだったが、街のCDショップに通うことが楽しみで仕方なかった。レートの良いお店で換金した後、CDを買うのが好きで、行きつけのお店まで出来た。当時、インド人と中国人の仲介をして、人と人を繋げる原体験も経験したのはシンガポールだったと振り返る。

・人生最大のカルチャーショックは、日本帰国後の公立中学時代だと思う。
周りから異質な人間と自分が見られていることが分かってしまい、馴染めると思っていたのに出来ない全てが辛かった。ただ平然と無反応を徹して乗り越えた経験から、高校は帰国生の多い環境を選んだ。非言語コミュニケーションが読めないと空気が読めない子とのレッテルを貼られることを経験し、多様なバックグラウンドがある友人を求めたと思う。実際に、本当に話せる相手、本当の話を開示できる場を見つけられたことが嬉しかった。

帰国後、周りにシンガポールの植民地時代を知る人がいない事に驚き、日本とアジア諸国との間に残る歴史的しこりにいつも心が痛んだ。何か自分に出来る事はないかと大学院に進学。シンガポールの対日感情の変遷と背景について現地調査し、異文化トレーナーになる夢を抱いた。

・海外生活がもたらした影響は何ですか?
➡現在の仕事に影響があると思う。海外のお客様と社内の技術職の調整役として入ることが多く、お客様の要求を噛み砕き、お互いの事情を理解し合うことを大切にしている。両者の着地点や譲り合うポイントが見えるのかもしれない。

と語られるいづみさんは、その他にも、たくさんのエピソードを披露してくださいました。いづみさんのTCK体験をお楽しみください。

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